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2005.09.30

ぱたん

ここ連日のハードスケジュールでぱたん。

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2005.09.29

F.S.S. DESIGNS 1 EASTER; A.K.D.

永野護著、『F.S.S. DESIGNS 1 EASTER; A.K.D.』、角川書店、2005年を買う。

雑誌連載のお休みが続いている『F.S.S.』だが、この本を見て納得。 こんな設定資料集を作っていては、それは連載は無理でしょうという。

『F.S.S.』の場合、既に決まっている年表、こまめに発表されているデザインや設定資料集がありながら、その隙間に予想を裏切る物語を挿入していっている。 普通、このような設定資料集があれば、読者には先の物語の予想がつきそうなものだが、そうならないところがすごいと思う。

続巻は2006年を予定とのこと。

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2005.09.28

少女には向かない職業

桜庭一樹著、『少女には向かない職業』、東京創元社、2005年を読む。

本書は、ライトノベルで活躍中の桜庭一樹の最新作。 東京創元社のミステリ・フロンティア・シリーズの1冊として出た本。

お話は、勝手でダメな大人たちとの崩壊家庭に暮らす大西葵、中学2年生。 でも、学校では、お笑い担当の明るい少女を装ってみせる。 そんな彼女が、大人からの心ない攻撃や、幼なじみの少年との関係に起因する級友たちとのいざこざがトリガーとなって、平穏を維持するためのつくりものの生活から離脱していってしまうというもの。

大西葵は、日常と日常の崩壊した世界の境界線上で、宮乃下静香という少女と出会うが、彼女との微妙な友情が、痛く、じんわりと描き出されている。 宮乃下静香は、本が好きで、学校では眼鏡少女でもの静かで風景にとけ込んでしまっているが、資産家の娘で、学校の外ではゴスロリ少女をやっている。

そして「少女には向かない職業」とは殺人のことだ。 少女のおかした2件の殺人事件を通じて描かれた、桜庭一樹版「下妻物語」が、本書だ。

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2005.09.27

10月はSPAMで満ちている

「小説新潮」10月号の桜坂洋著、「10月はSPAMで満ちている」を読む。

この短編は、新潮社のページで冒頭が読めるが、〈よくわかる現代魔法〉シリーズに出てくる、コンピュータに強い副主人公の坂崎嘉穂の成人後の姿が見られる。 秋葉原のあやしいボロ・ビルの一室で、会社をやめて文筆業を志している「ぼく」は、坂崎嘉穂に出会う。 物書き志願者が呼ばれた理由はSPAMの文面を考える仕事のため。 そしてまきこまれるSPAMと魚肉ソーセージとネコとIT風味な事件。

実は、あまり事件らしい事件でもないし、一応、推理小説の形式はしているが、そんなに推理の方は要求されない。 何かを求めたために、どうしたわけか秋葉原のボロ・ビルに辿りついてしまった2人の人間の、日常が描かれた作品だった。

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2005.09.26

一休伝 中・下巻

水上勉原案、佐々木守脚色、小島剛夕画、『一休伝 中・下巻』、ホーム社漫画文庫、2005年を読む。

本書は、以前取り上げた『一休伝 上巻』の続編。 上巻の終わりでは師の謙翁が亡くなってしまう。 中巻では、華叟のところにつとめ、世間と交わりながら修行につとめ、「洞山三頓」の公案を解くまでを。 下巻では、印可状を渡されるところから、子をなしたもよ、宗沅との出会い、母と華叟の死を経て、遍歴をかさね、老年にいたり、森女との生活、そして死を描く。

全部読んでみて、個人的には、坂口尚の『あっかんべェ一休』の方が好みだと思った。 これは、本書の場合、特に後半になると、『カムイ伝』をどことなく思いださせる描写が多いこととも関係する。 とは言うものの、この2つは基本的に非常に似ている作品で、甲乙つけがたい。

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2005.09.25

彼の軽トラに乗って

「りんご娘.」という地方アイドルのユニットがある。 そのシングルが全国発売されたのだが、タイトルはなんと「彼の軽トラに乗って」

「彼」の「軽トラ」。 彼はりんご農家のあんちゃんなのか?

「彼の軽トラに乗って」のページとか、ウェブログ「りんごのまちから、歌で世界に届けたい。/りんご娘.」とかを見ても、すごすぎ。

中学生の女の子が、農作業スタイル(りんご農家仕様?)をして、CDのジャケットにおさまり、キャンペーンめぐりまでやっちゃう。 更に、彼女たちの芸名は「ジョナゴールド」に「レッドゴールド」。 りんごの銘柄なんだろうけど、まるで戦体もの。

CDタイトルの「彼の軽トラに乗って」もそうだけど、インパクトありすぎ。

なお、所属しているのはH.A.S.P(弘前アクターズスクールプロジェクト)というけど、これはボランティア組織らしい。

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2005.09.24

MovableTypeとたわむれる

1日中、Movable Typeとたわむれていた。

Movable Type日本語版3.171をFreeBSDに入れてみた。 これは、Berkeley DBを使う設定で、単にインストールするだけならそんなに難しくない。 しかし、今回は、FreeBSDのjail環境に、データベースはMySQL、管理CGIであるmt.cgiとの通信をSSL化するようにし、更にCGIをmod_perlを使ってApacheのハンドラとして動作させてみた。 これをやろうとすると、それぞれ設定があって、Movable Typeのマニュアルでは完結しないので、なかなか微妙だった。

手順は、以下の通り。

  1. FreeBSD 4.11のインストールと設定
  2. portsからcvsupを実行するための最低限のアプリケーションのインストール
  3. FreeBSD 4-STABLEへのOSとportsのアップデート
  4. portsからホスト環境で使うアプリケーションのインストール
  5. jail環境のインストールと起動
  6. portsからjail環境の作業で使用するアプリケーションのインストール
  7. portsからlang/perl5.8、www/apache13-modssl、www/mod_perl、databases/p5-DBI-137、databases/mysql41-server、databases/mysql41-client、graphics/ImageMagick、www/p5-libwww、www/p5-libapreq、textproc/p5-XML-Atom、security/p5-Crypt-DSAをjail環境にインストール
  8. MySQLの初期化と起動とMovable Typeで使用するデータベースとユーザの作成
  9. Apache + mod_sslで使用する暗号鍵の生成
  10. Movable Typeのインストール
  11. Apacheがmod_sslとmod_perlを使用し、Movable TypeのCGIがハンドラとして起動するように設定
  12. Apacheの起動
  13. Movable Typeへのログイン
  14. Movable Typeの初期設定
  15. ウェブログの初期化
  16. ウェブログのデザイン
  17. デザインに沿ったMovable Typeのテンプレートの変更とグラフィック・パーツのアップロード

という感じで、なかなかげんなり。 これらの作業とその後のアップデートを考えると、ウェブログのホスティング・サービスのありがたさがわかるというもの。

なお、以下のものを参考にしながら設定した。

MySQLのデータベースの設定方法とか、Apacheのmod_sslの設定とかはMovable Typeのマニュアルには書いてないので、これらは自分で調べないといけない。 また、mt.cgiへの通信をSSL化してハンドラ化するには、SSLを使ってアクセスする別なディレクトリを用意し、mt.cgiだけを移動し、mt.cfgを書き換える。 そして、これに伴いhttpd.confの設定の方も変更する必要がある。 httpd.confの変更の仕方は、その内容をよく理解して行わないとうまくいかないので注意が必要だ。 ここの設定を失敗し、試行錯誤の末、同じCGIスクリプトやライブラリを、httpとhttpsがアクセスするディレクトリにそれぞれ入れたりすることにならないように注意したい。

今回、インストールしてみて、時間指定の投稿がcronを使っていることがわかって(しかも推奨は15分間隔)、時間指定を細かくしても期待通りに動かないことがある理由がわかった。

追記

いろいろ試した結果、上記を一部書き換えている。

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2005.09.23

Mac OS X 10.4 Tiger 禁断のシステムハック パーフェクトガイド

MacPeople MOOK 12「Mac OS X 10.4 Tiger 禁断のシステムハック パーフェクトガイド」、アスキー、2005年を買う。

本書は、Mac OS X 10.4 Tigerのあまり知られていない機能を紹介したムック。 普通、「禁断の」とか書いてあるコンピュータ関係の本は、P2Pソフトの解説書だったり、DVDのデータを利用する方法の解説書だったりすることが多い。 しかし、本書は、そのような内容ではない。 ターミナルからコマンドを打ち込んで設定を書き換える方法や、ハードやOSのしくみに関する説明、プログラミングの簡単な紹介といったコアな内容になっている。

けっこう、知らないことがいっぱいあった。 Mail.appがRFC2646のformat=flowed形式でメールを送るために、flowed形式に対応していないメール・ソフトで見ると、変なところで改行されてしまう。 この自動で行われてしまう折り返しを、抑制するソフトStopFoldなど、個人的にはかなりありがたい。

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2005.09.22

「XHTMLマークアップ&スタイルシート」リフォームデザインガイドブック

境祐司著、『「XHTMLマークアップ&スタイルシート」リフォームデザインガイドブック -- 「Web標準」を学びたいWebデザイナーのための指南書。』、ソシム、2005年を読む。

本書は、「Web標準」でサイトを構築したり、構築しなおしたりしたい人を対象に書かれた一つのガイドライン。 全くのWebデザイン初心者ではなく、最近のWebデザインを勉強しなおしたい人向けの本だ。

今まで、IllustratorとPhotoshopでWebページをデザインし、スライスを作って画像を切り出し、それらをtable要素を活用して、レイアウトしていたという人は、けっこう多いのではないだろうか。 それで今後は、XHTMLとCSSを活用し、「Web標準」に沿ったページを作りたいものだと思っている人も多いだろうと思う。

でも、今までの流儀で、紙に下書きをして、それをIllustratorやPhotoshop上で作って、それを切り出して、「Web標準」なページを作ろうと思っても、本当にそのデザインが可能なのかという不安になったりする。 ブラウザのCSSのサポートが不完全だったり、ボックスの中身の分量とかブラウザのウィンドウの大きさによって、レイアウトが崩れたりする可能性もある。 作り込んだCSSを修正するのは結構大変なので、ブラウザのチェックもかなり面倒。 細かいテクニックはいろいろ知られてきたものの、それを総合して、結局、どういうワークフローにすると効率がいいのかが見えにくい。

本書は、「それじゃあ結局のところ、大まかにはどうしたらいいの?」という問題に、すっきりとした見通しを提示している。 もちろん、理想的にすっきり解決することばかりではないだろうけれど、見通しが見えているか見えていないかはかなり違うと思う。

CSSのデフォルト値への対応、分類、設定していく順番、背景画像とimg要素の使い分けなどに関する著者の提示した方法は、参考になった。 CSSの最近の細かいテクニックの本と組み合わせると便利かも。

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2005.09.21

電波大戦

本田透著、『電波大戦 -- ぼくたちの"護身"入門』、太田出版、2005年を読む。

本書は、以前取り上げた『電波男』の続編。 『電波男』では、現実には真実の愛も素晴らしい女性もいないし、キモいオタクには不利な世界だし、脳内妄想の方がいいんだと主張した。 ところが、こうして本など出して、ステータスが上がったりすると、女性が寄ってくるという「モテの魔の手」が襲いかかるという。 それを乗り越えるために、先輩(?)たちにアドバイスを求めるというのが、この本の概略。

とは言うものの、実際には、『オタク的恋愛の諸相』というノリの本に仕上がっている。 あるいは、自分の意見について、他者の意見を求めた本とも言えるだろうか。 対談した先輩たちというのは、竹熊健太郎、岡田斗司夫、滝本竜彦、倉田英之の4名。 それぞれ、オタクであり、恋愛に対して4人4様のスタンスを取っている。 この4人は、スターウォーズのジェダイに帰還したアナキン、暗黒皇帝、若きアナキン、ヨーダに例えられているが、いずれも極端だ。 セレクト次第では、随分異なったオタク恋愛曼荼羅も描けたかもしれない。

本書を読んで、対談という形のせいも大きいのか、『電波男』の尖った主張が、丸くなってしまったように感じた。 「女はおっかねえ、女は信用できねえ ガクガクブルブル」が、対談や合コン企画を読んでいると、一見「まんじゅうこわい」にも見えてきてしまうのだった。

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2005.09.20

嘘を生きる人 妄想を生きる人

武野俊弥著、『嘘を生きる人 妄想を生きる人 -- 個人神話の創造と病』、新曜社、2005年を読む。

本書は、ユング派の分析家である著者が、オウム真理教の問題を考察したもの。 オウムを、ラジニーシ、日蓮、キルトン・スチュワート(セノイの夢理論)、フロイト、ユング、ナチスと精神科医、ユーイン・キャメロン(CIA洗脳実験室)、シャルラタン(興行治療師)、メスマー、カリオストロ、ヴィルヘルム・ライヒなどと対比させて分析している。

人は、不完全なものであり、光と影の部分があり、また虚偽の神話にも治療的意味がある。 それは、人の心を扱う精神療法家にもあり、光と影の部分を受け入れ、神話の力とも仲良くすることが大事ではないのかというのが、おおまかな主張だったように思えた。

代替医療や偽医療の問題として、それらにかかりっきりになったために、本来必要な治療が阻害され、場合によっては、死んだりするという事件が起こったりする。 真光元の次世紀ファーム研究所などの事例から、学ぶべきことはあるのではないかと思う。 そういう意味で、個人的には、本書で麻原彰晃と対比させて評価している事例のうちのいくつかは、その虚偽性の危険性に関してやや甘い書き方になっているような気もする。 もちろん、暴走の危険性についても、触れられているのだけれど。

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2005.09.19

森鴎外訳 即興詩人

青空文庫にハンス・クリスチャン・アンデルセン著、森鴎外訳、『即興詩人』が登場し、ネット上で全文が読めるようになった。

アンデルセンの『即興詩人』は、個人的に思い出深い作品だ。 最初に読んだのは、岩波文庫の大畑末吉訳だった。 これは、予備校の講習に行っていたときに、神田の文庫専門の古書店で入手したものだった。 森鴎外の翻訳を探していたのだが、見つからずに、原典から現代語に訳した大畑版を入手した。 そうして入手した『即興詩人』を、あるときは冷たい冬のまちを歩きながら、あるときは混雑した列車の中で読んだ。

そんな思い出深い作品ではあるのだが、『即興詩人』は、はっきり言って、超ご都合主義のロマンス小説だ。 冷静に読んだら、うーんとうなってしまう。 わたしの場合は、そういうお話を読みたいときに、ある種のオーラのようなものが介在し、偶然に美しい思い出になったのかもしれない。

ところで、『即興詩人』と言えば、今回、青空文庫に収録された森鴎外の翻訳が有名だ。 これは、翻訳というよりは、意訳、超訳に近いもので、流麗な擬古文調で書かれている。 その凄さが、ブラウザ上で簡単に堪能できるようになったのは、感慨深い。

もっとも、紙の本の同内容のものと読み比べてみたけれど、紙に印刷されているものの方が、同じ内容であっても読みやすかった。 あと、テキスト版をダウンロードして、VT100端末をエミュレートしたソフト上で、ページャーを使ってみると、意外と読みやすかったりした。

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2005.09.18

まんが パレスチナ問題

山井教雄著、『まんが パレスチナ問題』、講談社現代新書、2005年を読む。

本書は、旧約聖書の時代から2004年の暮れまでのパレスチナ問題を紹介した本。 「まんが」とタイトルには書いてあるが、最近「まんが入門書」にありがちな、各ページにカットがちりばめられている程度のもの。

パレスチナの問題は、正直、よくわからないところがある。 日々、ニュースなどでテロや戦争や紛争が報道されていても、単語がそもそもよくわからない、いろいろな派や国の相関関係がよくわからない、経緯も理由も代表者たちの主張もよくわからないという、わからないづくし。

高校までの歴史の授業では、あんまり近代史はやらなかったし、それ以上に、リアルタイムで展開されている国際情勢は、教科書には載っているわけがない。 大学ではというと・・・この類のものは、地政治学くらいしか聴講しなかった。 その地政治学も、フォークランド紛争における海運力の軍事的重要性の話だったような。

そんなわたしだったので、ふと、書店で、この本を目にして、手に取ってみた。 内容は、ユダヤ人とパレスチナ人の少年と一緒に、パレスチナ問題の歴史を見ていくというもの。 だいたい300ページ弱で、半分くらいのところでイスラエルの建国が描かれている。 読んでみて、非常に情けないことだが、はじめて知ることが多かった。 今まで、ニュースなどで聞いていた単語が、ちらほらとわかるようになった。

ただ、このような問題は、立場によって、随分、見方や考え方が異なってしまうので注意したいと思う。 本書では、ユダヤ人とパレスチナ人の少年を登場させて、それぞれの立場からの考え方を提示しようと努力をしている。 それでも、作者の政治的、倫理的な信条は反映されている可能性はあると思う。 そして、それを判断するだけの知識は、わたしにはない。 このことを心に留め、他のパレスチナ問題に関する本なども読んで、考えてみたいと思った。

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2005.09.17

東京奇譚集

村上春樹著、『東京奇譚集』、新潮社、2005年を読む。

本書は、村上春樹の最新短編集で、5つの作品が収録されている。 この和紙っぽいテクスチチャーで装丁された本の、しぶい色の帯にはこう書かれている。

きたん【奇譚】〈名詞〉
不思議な、あやしい、
ありそうにない話。

しかしどこか、あなたの近くで
起こっているかもしれない物語。

そして、最初の短編「偶然の旅人」は、「村上」という語り手が、知人が個人的に語ってくれたものであると述べている。

これは本当かもしれないし、そうではないかもしれない。 本当だとしても、他の作品の中には、現実にはあり得ないだろう話も含まれている。

あり得ても、あり得なくても、胸に寂しさを感じる、そんな作品が収録されている。 書き下ろしの「品川猿」は、読んでしばらく茫然としてしまった。

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2005.09.16

デカルトの密室

瀬名秀明著、『デカルトの密室』、新潮社、2005年を読む。

本書は、島田荘司責任編集、『21世紀本格』、カッパ・ノベルス、2001年に収録された殺人事件とチェスとロボットと知性の身体性や自由意志を題材にした「メンツェルのチェスプレイヤー」の続編。 本作では、「メンツェル」とは主要な登場人物が同じで、「メンツェル」で語られた事件がときたま引用されている。 「メンツェル」は読んでなくても、それなりに大丈夫だが、登場人物のレナが魅力的に描かれているので、気に入ったら読んでみるのもいいかも。

本作では、前作に引き続き、殺人事件とチェスとロボットがからみ、ロボットの知性に関する問題に迫っている。

ストーリーは、オーストラリアで開かれるチューリング・テストのコンテストに、ロボット工学者のユウスケがやってくる。 その会場で、フランシーヌ・オハラという名前の、天才だが、他人の心が理解できない美しい女性と20年ぶりに再会し、勝負することになる。 ところが、勝負の直後に、ユウスケは誘拐、監禁されてしまう。 そこへ、進化心理学者のレナと、ユウスケの作ったヒューマノイド・ケンイチがやってくる。 そして、ユウスケの救出の過程で、暴走したケンイチがフランシーヌを射殺してしまう。

一体、何が起こったのか? フランシーヌの真意は? フランシーヌ型のヒューマノイドを売り出す企業プロメテの狙いは? といった謎が、ロボットの知性、心、自由という問題に迫りつつ、最近の科学の成果を紹介しながら、解き明かされていくというお話。

本作では、ロボットの知性や心を扱っているが、これは人の知性や心の鏡像だ。 機械が考えることができるのかという問題は、翻って、人間はどのような機構で考えてるのか、考えるとは何かという問題でもある。 ヒューマノイドのケンイチくんを通して、人が見えてくる、そんな物語だった。

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2005.09.15

龍屠玩偶 1

吉川博尉著、『龍屠玩偶 (1)』、ブレイドコミックス、2005年を読む。

本書は、邪気を引き寄せる謎の龍の入れ墨を持ち、魔を祓うことを生業とする、子供の頃の記憶を失った青年・瀬崎龍司を描いたコミック。 ストーリーは、失われた記憶と入れ墨の龍を巡って展開する。 そして、瀬崎と闇の組織・外道衆の新しい頭目との因縁が臭わされている。

雰囲気や絵に特徴のあるコミックスで、こういうのはけっこう好きだ。 でも、個人的には、ストーリーのひきがちょっと弱いような気が。

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2005.09.14

スライハンド

我孫子武丸×藤谷陽子著、『スライハンド』、マッグガーデン ブレイドコミックス、2005年を読む。

これは、ある組織で育てられたスライハンドという超能力を持った少年の逃亡劇を描いたコミック。 推理作家の我孫子武丸が著者の一人だが、特に推理作品というわけでもない。

ストーリーの大枠は、組織からの逃亡というもので、これまで様々な作品で描かれてきたものだ。 そこに、新たな1ページを刻むことができたかどうかは、個人的にはちょっと疑問。 あとがきを読むと、書きたいものを書ききれなかったという感じらしいので、ほどよく熟成された頃に、改めてこのテーマの作品を是非にと思います。

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2005.09.13

ぜんぶホントの悪徳商法 私たち、カモられました!

弁護士村千鶴子監修、『ぜんぶホントの悪徳商法 私たち、カモられました!』、フィールドワイ、2005年を読む。

本書は、悪徳商法?マニアックス ココログ支店さんの「ぜんぶホントの悪徳商法 私たち、カモられました!」で見つけたもの。

内容は、いろいろな悪徳商法の事例をコミックで紹介し、その対応を簡単に説明したもの。 だいたい結論としては、消費生活センターに相談しようということで、あまり対応策は詳しく載っていない。 どういう悪徳商法があるのかということを紹介した啓発本だった。 なお、コミックの部分は、5人の作家さんが書いていてる。

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2005.09.12

大航海「インターネットの光と闇」

DANCE MAGAZINE 10月別冊「大航海」No.56 増頁特集「インターネットの光と闇」、新書館、2005年を買う。

本書は、季刊誌「大航海」の最新号。 特集のタイトルは「インターネットの光と闇」だが、実際には「WWW上のコミュニケーションのダークサイド」にフォーカスした話が多かった。 そういう意味では、同じような分野の著者が書いているにもかかわらず、「ユリイカ 詩と批評」2005年4月号 特集「ブログ作法」 とは読後感がかなり対照的だ。

個人的には、90年代に急成長した韓国のインターネットを論じた、小倉紀藏「インターネット・コリアの思想」が示唆的だった。

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2005.09.11

サマータイムマシンブルース

映画「サマータイムマシンブルース」を見る。

この作品は、劇団ヨーロッパ企画の演劇を元に作られた映画。 お話は、とある町の大学のSF研究会のメンバーが、SFとは何かさえ知らず、だらだらと毎日を過ごしている。 それで、ある夏の日、ちょっとしたアクシデントで、クーラーのリモコンを壊してしまう。 次の日、部室に突然現れた謎の物体が、実はタイムマシンだとわかり、クーラーのリモコンを壊れる前の時間から取ってこようとするが・・・。 後から、過去を変えると時空が消滅してしまうという話を聞かされ、事態の収拾に奔走することになるという、ハチャメチャなストーリー。

この作品に出てくるSF研は、オタク的な要素がなくて、そういう意味で、全然、SF研に見えない。 むしろ、普段着がスタートレックのコスプレな映画館の店主が、この作品では一番SF属性が強かったりする。 また、ギャグも独特のテンションで、慣れるまでにちょっと苦労するかも。 タイム・パラドックスに関しては、ちゃんと計算されていて、作品全体を通して、美しく閉じる感じ。

なんとなく、SFファン向けではなくて、小劇場のギャグ系の演劇好きの人向けの作品だったような気がする。

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2005.09.10

最近の不正アクセス事情

サーバのログに、最近、こんなのが増えているらしい。

Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user fukui from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user koike from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user hara from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user hashi from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user hira from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user hirama from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user hoshi from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user mikami from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user motoyama from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user shiwaku from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user sugano from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user umebayashi from XXX.XXX.XXX.XXX
Sep XX XX:XX:XX XXX.XXX.XXX.XXX sshd[XXXXX]: Illegal user yamamura from XXX.XXX.XXX.XXX

つまり、sshのポートに、ありがちなユーザ名のリストを使って、片っ端からアタックしている形跡だ。 こんなのが、同じIPアドレスから数百から数千件来ていたりする。

たくさんユーザを抱えているサーバでは、中にはパスワードが簡単なユーザもいるかもしれないわけで、なかなかいやらしい。 sshポートにアクセスできるようになっているサーバの管理者は注意した方がよさそう(と言ってもユーザがダメだと・・・)。

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2005.09.09

日本「霊能者」列伝

別冊宝島1199「日本「霊能者」列伝 -- 「霊能力の全貌」と「数奇な運命」」、宝島社、2005年を読む。

本書は、明治から昭和の日本の「霊能者」30人を紹介した本。 千里眼の御船千鶴子から、GLAの高橋信次、霊視の宜保愛子、合気道の植芝盛平まで、さまざまな人物が紹介されている。

それぞれの人物紹介は、2〜4ページの誌面に画像資料が組み合わされているので、あまり詳しくない。 そういう意味では、大雑把にどういう評価をされている人物がいたのかを知るのに便利で、それ以上の詳しい話は、巻末の参考文献でチェックというところだろうか。 紹介されている人物は、バラエティにとんでいるので、知らない人物の方が多かったら、買ってみるのもいいかも。

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2005.09.08

g4u

g4uを試す。

SymantecのNorton Ghostは、HDDのWindowsなどのパーティションのデータをバックアップして、レストアすることができるソフト。 これがあると、1台のマシンから作ったHDDのイメージを、複数のマシンに同時にレストアすることができる。 ただし、UNIX系のシステムなどでは使えないことがある。

g4uは、"ghost for unix"で、NetBSDがベースになっていて、さまざまなOSのディスクイメージをバックアップしてレストアできる。 バックアップは、ftpサーバ上かローカルのHDDに保存する。

このソフト、『BSD Hacks』で見つけたのだけれど、なかなか便利。 素直に使うと、バックアップしたイメージが巨大になりすぎる欠点はあるんだけど、それでもこの便利さは捨てがたい。

ところで、g4uの他にg4l(Ghost for Linux)というのもある。 この2つのソフトの作者の間で、パクリ疑惑が持ち上がっているようだ。

参考: ITmedia 「オープンソース版ゴースト・ストーリー」

なお、g4uはGUIではなくコマンドラインから全部作業する必要があるが、g4lはGUIなインタフェースも持っている。 問題は、g4lのドキュメントがあまりちゃんとしてないことだろうか。

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2005.09.07

マジック・キングダムで落ちぶれて

コリイ・ドクトロウ著、川副智子訳、『マジック・キングダムで落ちぶれて』、ハヤカワ文庫SF、2005年を読む。

本書は、「不死」の実現した未来世界で、ディズニー・ランドのアトラクションの派閥争いを描いた作品。 この「不死」は、記憶のバックアップとクローンを利用したものだ。 本当は、何をもって同一人物とするのかという問題はあるけれど、この未来世界では、その部分を気にする人は見当たらなくなっている。 また、人は、常時、ネットに接続されていて、貨幣に相当するのは、他者からの評価を数値化した〈ウッフィー〉と呼ばれているもので、これはネット上でデータとして交換されている。

最近、サーチエンジンの検索結果の表示順位にページの被リンク数が関係したり、SNSの友だちリストなんかを見ていると、どうやって人々の気持ちを集められるかが、ある意味、これから勝負になってくるところもあると思う。 著者は、EFF(電子フロンティア財団)の仕事や、ブログの編集やライターなどをしている人で、〈ウッフィー〉のアイデアというのは、たぶんそういうところから来ているのではないかと思った。

ただ、この「不死」も〈ウッフィー〉も、現時点では、個人的にはあまりいい気持ちがしない。 というか、気持ち悪さを感じる人が多いのではないだろうか。 でも、時代の趨勢がそうなれば、案外当たり前になっちゃうかもねという、著者のメッセージがここには込められているような気がした。

主人公も、そんな時代に適応して、ディズニー・ランドのホーテンテッド・マンションで、アトラクションを担当して、人生を謳歌していた。 ところが、ほんの運命のいたずらから、この「不死」にも〈ウッフィー〉にも見放され、見捨てた道へと転がっていく。

わたしたちからみて、違和感を感じる世界。 そんな世界が当たり前だった主人公が、当たり前じゃない側から見た世界はどんな世界だったのか。 それを描いたのが本書である。

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2005.09.06

フェルメールの暗号

ブルー・バリエット著、ブレット・ヘルキスト絵、種田紫訳、『フェルメールの暗号』、ソニー・マガジンズ、2005年を読む。

本書は、トンデモでアートなジュブナイル推理小説。 原題は"Chasing Vermeer(フェルメールを追って)"(2004)で、これを『フェルメールの暗号』と訳すのは、『ダ・ヴィンチ・コード』を意識してだろうか。

お話は、パズルと暗号が好きな少年コールダーと本が好きな眼鏡の少女ペトラの変人コンビが、盗まれたフェルメールの「手紙を書く女」の謎を追いかけるというもの。 推理小説としてはどうかという気もするけれど、突っ込みどころ満載の作品で、変わった趣味の人には強くおすすめ。

主人公2人が通っているのは、ジョン・デューイな伝統うるわしきシカゴ大学の付属学校で、先生全部がそうというわけではないが、この2人の担任は伝統に忠実に学生参加型で発見型の授業の実践者。 そんなドリーマーでヒューマンな女性の先生で、授業はかなり行き当たりばったりなんだけど、ストーリーが進むに連れて、だんだん壊れていく様子がイメージを裏切ってくれる。 というか、著者はシカゴ大学付属学校で教師をしていたってことなんだけど、これはもしかしてご自身ですか?

古本屋という夢のような環境でバイトをしているコールダーと、本好きのペトラ。 この2人がいつしか仲良くなるのは、必然だったかもしれない。 でも、そんな眼鏡の文学少女が読んでいる本が、トンデモ物件研究家のチャールズ・フォートの『見よ』で、その本に載っているファフロッキーズ(FAlls FROm The SKIES: 空から降ってきた大量のかえるとか)の感想を尋ねられた少年はどうすべきか?  いや、一部の人にとっては、夢のような出来事かもしれないけれど。

そして、巻き込まれるのは、ジョン・C・リリィなら暗合とでも呼ぶだろう、暗示と符合に満ちた出来事の数々・・・というか、そればっかり。

推理小説を求めて手に取るのはやめておきたいけれど、何かをビビビッと受信した人は是非どうぞ。

個人的には、長く忘れていたことを思い出した作品だった。 子供の時間は、いつまでも続かないもの。 美しい記憶と人のもろさとめぐり合わせと小さかった君に。

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2005.09.05

コンスタンティン

映画『コンスタンティン』、ワーナー・ホーム・ビデオ、2005年のDVDを見る。

この作品は、小さいときから霊視体質で、自殺の罪の免罪を求めてエクソシストになったジョン・コンスタンティンを描いたアクション映画。 病で死期が迫ったコンスタンティンの前に、世界的なレベルの危機が訪れるが・・・というお話。

とにかく、映像がかっこいい。 特に、炎につつまれた地獄の描写が印象的だった。

ストーリーは・・・、個人的には微妙だった。 たとえば、勝負というか、強さに関する、ある程度のルールがわかった方が、見ていて盛り上がる。 しかし、超常のものを扱っているせいで、何でもありになってしまい、いまいち全体の状況が見えにくいのだ。 ロンギヌスの槍とかも、もっと活用されてもよかったような。

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2005.09.04

「ほっとけない 世界のまずしさ」にデジャブ

ホワイトバンドを身につけよう、9.10のホワイトバンド・デーに参加してねという、「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンに既視感を覚える。

このキャンペーンのうたい文句はこうなっている。

3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。 食べ物がない、水が汚い、そんなことで。 この状況を変えるには、お金ではなく、あなたの声が必要です。 貧困をなくそう、という声を表すホワイトバンドを身につけてください。

あれ、この話、どっかで聞いたことがある。

18人の子供が1分ごとに死んでゆく。
毎日、毎時、毎分、24人が飢えで死んでゆきます。 そのうちの18人は5才以下の子供です。

というか、この話ってそっくりだ。 「18人が1分」ということは、およそ「3秒に1人」だよね。

えーと、この話をはじめて聞いたのは、たしか1990年頃。 ・・・っていうか、15年たっても何にも変わってないんですか、そうですか・・・。

それでね、この話を、聞いたところは、日本ハンガー・プロジェクトというNGO。 当時は、「2000年までに飢餓を根絶する」と言っていたんだけど・・・。

いや、そもそもハンガー・プロジェクトは、ワーナー・エアハードっていう、自己啓発セミナーな人が、創立者の一人。 「飢餓を根絶する方法はある。 できないのは、みんなにその意志がないから」って、自己啓発セミナーっぽいことを言っていたんだ。 それで、「飢餓を根絶する」という意志を持ってもらうイベントを実施して、そういう意志を持ったという署名、それから募金とかを集めるという活動をしていたんだ。

でも、15年たって「18人が1分」が「3秒に1人」。

わたしたちが過去から学べることって、何なんだろう。

うーん、中にはこんなページも。 大佐blog in ニュー速 「ホワイトバンドの黒い影」

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2005.09.03

ブログ 世界を変える個人メディア

ダン・ギルモア著、平和博訳、『ブログ -- 世界を変える個人メディア』、朝日新聞社、2005年を読む。

これは、ウェブログを活用しているジャーナリストのダン・ギルモアによる、ウェブログの可能性と未来を論じた本。 基本的に、アメリカの話が中心なので、日本のウェブログを読んでいる人にとっては、例として挙げられている話が、返ってわかりにくかったりする。 しかし、逆に言えば、知らなかった話が多いわけで、アメリカにおける政治とウェブログの関係や、企業とウェブログの関係などに関するトピックスを知ることができる。 そして、取り上げられている話題は新しく、現在進行形のネットの形が描かれている。

論調は、基本的にネットや草の根や技術の自由と価値を重んじ、ジャーナリストとして今後のネットで何ができるのかをポジティブに考えていくという感じだった。 わたしは、多少、楽観的というか、夢見がちな印象を受けたが、これからのネットがどうなっていくのかは、本当にわからないし、ひょっとすると著者の理想が世界を変えるかもしれない。

本書とは、ちょっと関係ないけれど、最近、ウェブログについて思っていることを書こう。

ウェブログが普及したことで、ネット上のコンテンツの量は、これまでになく増加したと思う。 もちろん、大半のウェブログは、「更新が簡単」「儲かる」などの言葉に魅力を感じてはじめてみたものの、現実には書くことがあんまりなかったり、予想以上にめんどうだったりして、開店休業状態かもしれない。 しかし、それでも、書く人の裾野が広がったことで、サーチエンジンが容易にカバーしきれないくらい、毎日、たくさんのWebページ、大半はたわいもないことだろうけど、とにかく書かれて、ネットに堆積していっている。

それらが、ジャーナリズムになったり、協調作業としてすごいものになっているかというと、たぶん、かなりの割合は、そうではないだろうと思う。 しかし、その、大半はたわいもないことであっても、これまではほとんどネットに書かれることがなかったようなことが、書かれるようになったものもある。

そう、たとえば、むかし、サーチエンジンで調べても、ほとんど情報がなかった事柄があるとしよう。 それを、ウェブログ用のサーチエンジンで、今、改めてサーチしてみよう。 中には、信じられないくらいマッチするものが出てくる。

たとえば、あまり知られていなかった団体、イベントなどの情報がおもしろい。 というのも、人は、ウェブログがあっても、みんなそんなに書くことがあるわけがない。 だから、どうしても身辺雑記になりがちだ。 すると、買ったもの、食べたものの記事の他には、どこどこの団体の、これこれのイベントに参加しましたとかいうコンテンツが必然的に増えてくる。

もちろん出てこない情報もあるだろう。 それでも、今までにはなかったような参加体験の情報が、ネット上には今この瞬間も蓄積され続けている。

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2005.09.02

封神演義トランプ

封神演義のトランプで遊ぶ。

藤崎竜の『封神演義』の完全版が最近刊行されているが、このトランプはそれとは関係ない。 上海森林印刷公司が製造したもので、丸善で購入した。 パッケージは微妙に異なるが、三国志ショップ「赤兎馬」でも売られている「封神演義トランプ」と中身は一緒っぽい。

封神演義では、大殺戮が行われるため、トランプの枚数52+αでは、到底すべてをフォローできないが、重要な登場人物はだいたい収録されている。 1枚に一人ずつ載っていて、それぞれ解説付きだ。 なお、JOKERは、元始天尊と太公望の2枚だった。

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2005.09.01

ディエンビエンフー

西島大介著、『ディエンビエンフー』、角川書店 ニュータイプ100%コミックス、2005年を読む。

本書は、ベトナム戦争を舞台にした作品。 日系アメリカ人のヒカル・ミナミは、報道班として、ベトナム戦争に従軍している。 ある日、信じられないくらい凶悪な殺傷能力を持った少女1人に、部隊は全滅させられるが、ミナミだけは救われる。 以降、この謎の少女との因縁が続いていく。

この漫画は、「Comic新現実」に連載されたもので、単行本には書き下ろしで最終話が加わっている。 しかし、話が完結しているようにも見えないところが、微妙なところ。

ミナミは、別に写真を取るのがうまいわけでもなく、戦場にいても何かできるわけでもない。 たぶん、謎の少女に恋をして、戦場にいつづけるだけ。 特に戦況に何かを寄与しているわけでもない。 一方、謎の少女は、どうやらミナミに好意を持っていること以外、何を考えているのか全然わからない。 彼女は、とにかく殺戮機械として、アメリカ軍を狩り続ける。

西島大介の独特のかわいくて、動きのある絵で描かれた、Love&Peaceではなく、Love&Genocideな作品になっている。

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