電波大戦
本田透著、『電波大戦 -- ぼくたちの"護身"入門』、太田出版、2005年を読む。
本書は、以前取り上げた『電波男』の続編。 『電波男』では、現実には真実の愛も素晴らしい女性もいないし、キモいオタクには不利な世界だし、脳内妄想の方がいいんだと主張した。 ところが、こうして本など出して、ステータスが上がったりすると、女性が寄ってくるという「モテの魔の手」が襲いかかるという。 それを乗り越えるために、先輩(?)たちにアドバイスを求めるというのが、この本の概略。
とは言うものの、実際には、『オタク的恋愛の諸相』というノリの本に仕上がっている。 あるいは、自分の意見について、他者の意見を求めた本とも言えるだろうか。 対談した先輩たちというのは、竹熊健太郎、岡田斗司夫、滝本竜彦、倉田英之の4名。 それぞれ、オタクであり、恋愛に対して4人4様のスタンスを取っている。 この4人は、スターウォーズのジェダイに帰還したアナキン、暗黒皇帝、若きアナキン、ヨーダに例えられているが、いずれも極端だ。 セレクト次第では、随分異なったオタク恋愛曼荼羅も描けたかもしれない。
本書を読んで、対談という形のせいも大きいのか、『電波男』の尖った主張が、丸くなってしまったように感じた。 「女はおっかねえ、女は信用できねえ ガクガクブルブル」が、対談や合コン企画を読んでいると、一見「まんじゅうこわい」にも見えてきてしまうのだった。
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