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2005.09.06

フェルメールの暗号

ブルー・バリエット著、ブレット・ヘルキスト絵、種田紫訳、『フェルメールの暗号』、ソニー・マガジンズ、2005年を読む。

本書は、トンデモでアートなジュブナイル推理小説。 原題は"Chasing Vermeer(フェルメールを追って)"(2004)で、これを『フェルメールの暗号』と訳すのは、『ダ・ヴィンチ・コード』を意識してだろうか。

お話は、パズルと暗号が好きな少年コールダーと本が好きな眼鏡の少女ペトラの変人コンビが、盗まれたフェルメールの「手紙を書く女」の謎を追いかけるというもの。 推理小説としてはどうかという気もするけれど、突っ込みどころ満載の作品で、変わった趣味の人には強くおすすめ。

主人公2人が通っているのは、ジョン・デューイな伝統うるわしきシカゴ大学の付属学校で、先生全部がそうというわけではないが、この2人の担任は伝統に忠実に学生参加型で発見型の授業の実践者。 そんなドリーマーでヒューマンな女性の先生で、授業はかなり行き当たりばったりなんだけど、ストーリーが進むに連れて、だんだん壊れていく様子がイメージを裏切ってくれる。 というか、著者はシカゴ大学付属学校で教師をしていたってことなんだけど、これはもしかしてご自身ですか?

古本屋という夢のような環境でバイトをしているコールダーと、本好きのペトラ。 この2人がいつしか仲良くなるのは、必然だったかもしれない。 でも、そんな眼鏡の文学少女が読んでいる本が、トンデモ物件研究家のチャールズ・フォートの『見よ』で、その本に載っているファフロッキーズ(FAlls FROm The SKIES: 空から降ってきた大量のかえるとか)の感想を尋ねられた少年はどうすべきか?  いや、一部の人にとっては、夢のような出来事かもしれないけれど。

そして、巻き込まれるのは、ジョン・C・リリィなら暗合とでも呼ぶだろう、暗示と符合に満ちた出来事の数々・・・というか、そればっかり。

推理小説を求めて手に取るのはやめておきたいけれど、何かをビビビッと受信した人は是非どうぞ。

個人的には、長く忘れていたことを思い出した作品だった。 子供の時間は、いつまでも続かないもの。 美しい記憶と人のもろさとめぐり合わせと小さかった君に。

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