サル 5
藤子不二雄A著、『サル (5)』、ビッグコミックス、2005年を読む。
本作は、『プロゴルファー猿』の続編で、この5巻目で完結。 無印版でアメリカに旅立った猿も、もう今では成人。 アメリカで影のプロゴルファーとして各地を転々として活躍中。 その活躍を描いていく。
本作では、前作のように成長するゴルファーとしての猿ではなく、当初は成長したゴルファーとしての猿を描くことになった。 そのため、バリエーションは用意されていたものの、勝負を描く中で、完成された猿の野性味やセンスを強調することになる。 それでは長い物語をひっぱっていくことは難しいわけで、途中からゴルフ産業のオーナーの息子で、プロゴルファーを目指す青年と組んだり、そのオーナーに雇われた弟・中丸との出会いを描いていくことになった。
これは、無印の『プロゴルファー猿』のファンにとっては、なかなかうれしい展開だった。 名作である無印の『プロゴルファー猿』を超えられたかというと、設定にはじまるテーマなどの話作りの面から、それは難しかっただろうと思う。
本作では、円熟した藤子不二雄Aの独特の絵柄、表現が発揮されていて、ファンとしてはうれしい作品だった。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント