シャングリ・ラ
池上永一著、『シャングリ・ラ』、角川書店、2005年を読む。
本書は、地球温暖化の問題が本格的になり、二酸化炭素というか炭素の排出量が金に取って代わった未来の東京を描いた、「Newtype」の連載を単行本化したもの。
地球温暖化により熱帯化した東京が、大震災により崩壊した後に、アトラスという超ど級の高層巨大建造物の建設が始まる。 地上は森林にして捨て、すべてをこのアトラスに移行する…と見えた政策だったが、実際には富めるものだけがアトラスの居住権を得て、貧民は熱帯雨林と化した地上で難民生活を送ることなった。
この世界を舞台に、反政府ゲリラの総統になった元女子高生の國子、炭素経済に挑戦する投機家の少女・香凛、アトラスでわがまま放題な生活を送るやんごとなき身分で殺傷系の超能力をもった少女・美邦といった少女たちを中心に、異常な能力を秘めた奇人たちのバトルが展開される。 この戦いは、アトラス建造の真の目的を巡り、八岐大蛇っぽい存在や、三種の神器といったものまで入り乱れて、日本オカルト国造りなハイテク・エンドレス・バトルロワイヤルになっていく。
主要な登場人物は、簡単にはくたばらず、リベンジしまくり(ちょっとしつこいかも)。 とにかく、いろいろな形でのバトル・シーンが多いのが特徴。 少女たちの大活躍が見たい人におすすめ。
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コメント
はじめまして、TBさせていただきました。
おっしゃるとおり、終盤のバトルがちょっとくどかったですが、単純に面白い作品でした。
投稿: モーラ | 2006.01.31 14:53