西遊記 4 円の巻
藤原カムイ著、『西遊記 4 円の巻』、NHK出版、2005年を読む。
本書は、原作に比較的忠実に描かれた藤原カムイ版西遊記の最終巻。
え?
前の巻が出たのは2000年の秋。 もう5年ぶりだ。 しかも、この4巻で、話は沙悟浄が登場して旅に同行するところで終わっている。 つまり、西遊記のお話はまだ始まったばかりのところだ。
もっとも、この後、旅の話は、いくつか特徴的な話はあるものの、だいたいは妖怪関係のトラブルに毎回のように巻き込まれるという、かなりワン・パターンな展開が延々と続くことになる。 最初のうちはこれでもいいのだが、だんだん読んでいてつらくなる。 そもそも設定として、まるでイジメのように、八十一の苦難に遭って成就することが、天竺でお経をゲットできる条件だったりする。 この八十一回というのが多すぎて、途中から消化試合みたいになってしまうのだ。
そこをマンガ化するのは、貴重な才能の無駄使いという気もする。 考えようによっては、一番おもしろい部分はバッチリとマンガ化されたので、これはこれでよかったのかもしれない。
今作でも、描写のクオリティは高く、フルカラーの美しい作品に仕上がっている。 たのしく読めました。
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