妖怪ハンター 地の巻、天の巻
諸星大二郎著、『妖怪ハンター 地の巻、天の巻』、集英社文庫(コミック版)、2005年を読む。
これは、異端の考古学者・稗田礼二郎の登場する《妖怪ハンター》シリーズの旧作品をセレクトしてまとめ直した作品集。 1970年代から1990年代までの作品が収録されている。 特に、初期の作品は、異様な雰囲気を持っていて、おもしろい。 初期の作品は、週刊少年ジャンプに掲載されていたわけだが、それってすごいことのような気がする。
『地の巻』に収録された返魂の術と太古の生命体の逆襲を描いた「死人帰り」ははじめて読んだ。 現在、描かれれば、魚の顔をした種族に旧支配者とか、《クトゥルー神話》あたりに染められてしまっていたかもしれない内容なのだが、1974年に描かれたこともあり、独特のものとなっている。
なお、『地の巻』は初期作品が多く、『天の巻』は生命の木・非時の実を巡る物語が中心となっているが、実際には、収録作品の時代がバラバラである。 ちょっと、これは微妙なところ。 できれば、執筆時代順に収録してほしかったような。
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