出家日記
蛭児神健(元)著、『出家日記 -- ある「おたく」の生涯』、角川書店、2005年を読む。
これは、「Comic 新現実」誌に連載されていたものを加筆訂正して本にまとめたもの。 蛭児神健といえば、吾妻ひでおのマンガやロリコン・カルチャーで有名だった人。 現在は、いろいろあって、僧侶をしているという。 その蛭児神健(元)の現在までの人生を、ロリコン・カルチャーとの関係を中心に書き綴ったのが本書だ。
読めば読むほどすごすぎ。 アンダーグランドなサブカルチャーにつかり、自分自身をもてあまし、大げさに演出せずにはいられなかった様子が、詳しく書かれている。
ロリコンでも、おたくでも、この世界に引き寄せられてくる人には、どこか変わったところがあると思う。 その中にいるときには、まさに渦中の一人で、自分のこともうまくコントロールできないし、よく見えないものだ。 でも、辞めたり遠ざかったりして、冷めた目で振り返ってみれば、問題の多い人間関係には「あれって…」みたいな気分になってくる。 それを書くと、ちょうど、こんな感じになる。
人間関係に対するコメントのところは、サブカルチャーな人間関係を考えるのに参考になりそう。 どこかこの光景はわたしにも懐かしい何かだった。 また、それ以外のところは、当時の貴重な証言だと思う。
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