プチクリ
岡田斗司夫著、『プチクリ』、幻冬舎、2005年を読む。
基本的なスタンスは、プロにはならなくてOK。 好きなことで、表現できることを楽しんで表現してみようというもの。 そんな生き方をプチクリ(プチ・クリエイター)と呼んで、提案している。
著者のオタキング岡田氏は、むかし、オタクをかっこいいものとして取り上げていたわけだけど、今回は、プロではないクリエイターを取り上げている。 どちらも、伝統的なステレオ・タイプな見方をすれば、あんまり評価されないものだ。 その価値観を、あえてひっくり返してみている。
本書で書かれているプチクリな生き方は、いつの頃からか、わたしもなんとなく思っていたけれど、本当にそれでいいのかなという気持ちもしていたことだった。 それが、クリアに肯定的に書かれていて、ある意味、驚いた。
たとえば、学校。 学校は、最終的にはみんながなにがしかのプロになることを考えて行ったり、設計されていたりする。 でも、実際には、それは難しい。 これはクリエイターに限った話ではない。 どの業界でも、ちゃんとしたプロになるのは大変だし、やりたいことイコール才能があることでもない。 やってみたけど…と、挫折して、好きという気持ちまで失ってしまったりする。 でも、きちんとしたプロになるということを目指すという路線から降りてしまうという選択肢もある。 それなら、そこそこ楽しんでスキルアップできて、そこそこ趣味としては使えるという形程度になって、好きという気持ちを保ったままでいられるかもしれない。 でも、それでいいのかどうかは、わたしにはよくわからない。
職業養成とか、学校の話としては、悩ましいところも、いろいろある。 でも、趣味の話としてのプチクリな生き方は、人生を豊かにしてくれると思う。
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