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2006.03.19

物理学校

馬場錬成著、『物理学校 -- 近代史のなかの理科学生』、中公新書ラクレ、2006年を読む。

本書は、夏目漱石の『坊ちゃん』で主人公が卒業したということにされていることで有名な、東京理科大学の前身である物理学校の、明治14年の誕生から昭和26年の終わりまでの歴史を紹介した本。 非常に熱い創設のメンバーの思いと、あまりに特殊な位置にあり続けた物理学校の歴史がよくわかる。

現在の東大に相当する機関で、フランス語で物理を学んだ、将来を渇望されるエリート22名が、習ったことを広く日本語で伝え、日本の発展に寄与しようという、熱い思いを持って、自分達の持ち出しで設立したのが物理学校だ。

(教員は昼間は別な職を持っていて)夜間に授業し、授業料は安く、希望者には広く門戸を開くが、卒業は非常に厳しく、初期の頃は2、3%程度。 実験器具は、特例で東大から毎晩借り出し、その日のうちに返却する。 気持ちだけが空回りして時には生徒が1人になったり、天災で校舎が瓦解したり、それでも教員達で資金を出して、学校を維持する。 到底常識では測れない、むちゃくちゃな学校と言えるだろう。

自分の母校が、これほど破天荒なところだったとは、思わなかった。 伝統の一部は、昭和の終わりにも受け継がれており、それはわたしのとっては、いろいろといい方向に作用したようだ。 理科大関係者にはおすすめの本。

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コメント

東理大の教員の給料は、私大とは思えないくらいに安月給だと聞いています。学生は多いし、レポートも多いし、よさげな学生は東大にもっていかれる。現代でも「熱意」がなければやっていけない職ですね。

給料がそうだとすると退職金もたいした事ないんだろうし、それはそれで志だけで生きていくしかないのかも。ま、国立大学法人も法人化したあとはなんの役職もなくなってしまい、委員になっても労が多いだけという事になってしまっているようです。

教員なのに、教務や大学運営にかかわる委員になっても「業績」にはならないというシステム。先は長くないですね。

投稿: sok | 2006.04.20 00:51

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