完全覇道マニュアル
架神恭介、辰巳一世、君主論太郎著、『完全覇道マニュアル -- はじめてのマキャベリズム』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年を読む。
本書は、マキャベリの『君主論』を、小学校のクラスの中のお話として翻案して、紹介したもの。 非常に読みやすくて、わかりやすい。
お話は、小学校のあるクラスで、クラスの勢力をまとめて、トップに躍り出ようと、牙をとぐ小学生たちがいる。 彼らは、自分の仲良しグループのメンバーを制御しながら、他のグループを崩壊させたり、勝負を挑んだりして、引き抜きや吸収合併を狙っている。 その群雄割拠の果てに見たものは?というもの。
作品の舞台は小学校なのだが、作中で描かれている小学生たちの幼稚で残酷で現金で愚かで狡猾な集団力学は、はっきり言って、大人の社会でよく見られるものだ。 読んでいると、あるあるって感じで、実際に見た場面が次々と甦ってきた。 というか、今、目の前で繰り広げられていたりして…。
マキャベリは、こういう覇権争いで、いいポジションを得るにはどうしたらいいと思うのかを、著したわけだが、それは非常に結果優先的だ。 ある意味、モラルはない。 そのことを考えた上で、書かれていることの内容を吟味した方がいいだろう。
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