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2006.05.24

青いうた

斉藤ひろし著、『青いうた -- のど自慢 青春編』、キネマ旬報社、2006年を読む。

本書は、青森と東京を舞台に、非常に泥臭く青春を描いた同名の映画のノヴェライズ。 映画の方を見に行く時間が取れないので、先にこちらを読んでみた。

お話は、むつ市で、いつの間にか不良ということになってしまった達也、知的障害を持った弟の良太、達也に思いをよせる恵梨香、陸上部の後輩で医者になることを決められている俊介の青春を描く。 達也は、故郷でうまく行かなくなり、東京でビッグになってやろうと上京するが、どんどんだめになっていく。 決してうまく行っていたわけではないが、それでもそれぞれを大切に思い、大事にしていた4人の関係も、美しい思い出を裏切って、汚れていく。 そんなとき、良太の好きな「のど自慢大会」が、故郷で開催されて・・・というもの。

ある意味、非常にベタでヒューマンなストーリー。 平成の時代に「東京でビッグになる」のような夢はなかなか持てないだろうし、「のど自慢」に大きな意味を見いだすのも難しいと思う。 失われた昭和の幻像のようなものを描いた『雲のむこう、約束の場所』などでも青森を舞台にしていたが、そういう意味で、本州の北端には「失われてしまった何か」が感じられるのかもしれない。 実際に、むつ市でロケをしたというこの作品、どのくらい風景がマッチしているのか興味深い。

ちなみに、この作品は『雲のむこう、約束の場所』とは対照的に、登場人物は方言でしゃべるようだ。

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