アレクサンダー・エベレットのまとめ
5/6のロバート・ホワイトの講演会などに関連して、自己啓発セミナー対策ガイドのフリートーク掲示板で、アレクサンダー・エベレットが2005年に亡くなったという話を読んだ。
アレクサンダー・エベレット(Alexander Everett)は、精神世界系のおっさんで、元教育関係者。 この人物のはじめたマインド・ダイナミックスが、現在の自己啓発セミナーのルーツの一つになっている。 久保博司の『人は、変われる。 -- 内側から見た自己開発セミナー』によれば、晩年には、サイババにもかぶれていて、日本で1991年にセミナーをしたときには、その話をしていたという。
参考: 自己啓発セミナーに関する情報 マインド・ダイナミックス -- アレクサンダー・エヴェレット(以下で別な情報と書いているのはこれを指す)
というわけで、アレクサンダー・エベレットの話を調べてみた結果をまとめてみる。
調べてみたところ、http://www.alexandereverett.com/という、エベレットの教材の通販サイトを発見。 このサイトの情報をはじめとして、さまざまな情報を総合すると、以下のようになる。
- 1921年ころ: イギリスに生まれる
- 1950年: サセックスのベックスヒル・オン・シーにペンドラゴン校を設立
ただし、調べてみたが、ペンドラゴンという学校はベックスヒル・オン・シーには発見できず。 - 1953年: オックスフォードのヘンリー・オン・テムズに全寮制のシップレイク・カレッジを設立
こちらは、公式ページがある。寄宿舎にはエベレット・ハウスというのもあるようだ。大学のニュースにも「創設者を偲ぶ」という追悼の記事があり、それによると2005年のはじめに亡くなったようだ。
この記事もなかなか強烈。 エベレットのすごいところも書いてあるんだけど、「現実家でなく、日常業務では役立にたたない人だった。教員、夫、人としては、どうかという感じで、情熱や独創的なセンスはあっても、本学における短い在職期間の間にも、しばしばものごとを継続するということができなかった。」とか書いてあるよ…。 - 1962年: 蒸気船S.S.フランス号でニューヨークに上陸し、ミズーリに行く
別の情報によれば、キリスト教ユニティ派の牧師になりたかったらしい - テキサスのフォートワース郡全日制学校の設立を手伝い、教頭になる
フォートワース郡全日制学校のサイトによると設立は1963年らしい。エベレットの名前は、このサイトにはない。 - テキサス・クリスチャン・ユニバーシティで哲学と宗教を学ぶ。
シルバ・マインド・コントロールのセミナーに出たのもこの頃か? - 1968年: アメリカ市民権を獲得
- 1969年: マインド・ダイナミックス設立(別な情報では1968年)
- 1970年代前期: マインド・ダイナミックスが海外にひろまる
- 1974年: ロシアとインドに旅行し、東洋の哲学と宗教を学び、体験する
- 帰国後、サクセス・ダイナミックスをはじめる
- 1977年: インワード・バウンドをはじめる
- 1989年: オーカス島での「愛と人生と光」のセミナーに16カ国から参加者を集める
- 1991年: 日本でインワード・バウンドのセミナーをARC関係者の招聘により開催。サイババの話をする。
- 2001年: http://www.alexandereverett.com/を公開。このとき80才
- 2005年: 亡くなったのは、年のはじめ頃らしい。84才前後
ちなみに、このエベレットの教材の販売サイトによるとインワード・バウンドは2日間で、個人の成長と真の才能を発見するためのものだそうだ。 教材の方は、3つで129ドルで「スーツを新調するよりも安い金額で、アレクサンダーのスピリチュアル・テクノロジーを手に入れ、よりよい人生を」とかいう、売り文句で販売している…。 いまいち、スーツと比べる感覚が謎。 うーむ。
それから、エベレットの弟子として以下の名前が挙げられている。
- グレッグ・ジョセフ: スピリチュアル・ヒーラーだとか。1970年代後期に学んだらしい。
- ワーナー・エアハード: 1971年に自己啓発セミナーの元祖の一つのestを設立。後にフォーラムに発展。
- ロバート・ホワイト: 1974年に自己啓発セミナーのもう一つの元祖であるライフスプリングを設立。共同設立者は、ランディ・レベル、シャーリーン・アフレモウ、ジョン・ハンレー。後に、ライフスプリングを去り、日本でライフダイナミックスを設立。
- ランディ・レベル: ライフスプリングを去り、コンテクスト・トレーニングを設立。
- シャーリーン・アフレモウ: ライフスプリングを去り、estのトレーナーになるが、もめて、ライフスプリングに戻った。
- ハワード・ニース: スイスでパーソナル・ダイナミックスを設立。
- ジム・クイン: ライフストリームを設立。
- トーマス・ウィルハイト: PSIワールド・セミナーズを設立。
- スチュワート・エメリー: estで働き、後にアクチュアライゼーションを設立。
- ウィリアム・ペン・パトリック: 化粧品マルチのホリディ・マジックの社長。上級ディストリビューター向けの講座としてマインド・ダイナミックスを導入。しかし、商売や講座に批判が集まったり、飛行機事故で死亡したりして閉鎖。団体は復活し、現在、リーダーシップ・ダイナミックスを名乗る。
- エド・ストラクチャ: 速読系?
- ジョー・クレーン: 天使系?
初期には自己啓発系の人が、後期には精神世界系の人が多くなっているような。
ちなみに、ライフスプリングのプログラムを作ったゲシュタルト・セラピストのジョン・B・エンライト(フリッツ・パールズに学んだ)も2004年に亡くなっている。 自己啓発セミナーのWe Canに協力していたゲシュタルト・セラピストのポーラ・バトム(パールズの弟子)も2001年に亡くなったし、ぼちぼち、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントや自己啓発セミナーの立役者たちが亡くなりはじめている。 直接本人から証言を取れる、そろそろ最後のチャンスといったところだろうか。
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