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2006.06.09

アイの物語

山本弘著、『アイの物語』、角川書店、2006年を読む。

本書は、と学会の会長として有名な山本弘による、ロボットもののSF。 人とは異なるロボットと人類の未来を描き出している。

お話は、ロボットに支配された未来、「語り部」と呼ばれる僕は、アイビスというロボットと遭遇し、戦うが圧倒され、とらわれる。 ケガが治るまでの間、ロボットと人間を題材にしたフィクションを、アイビスは僕に語り聞かせるのだった…というもの。

「ロボットに支配された未来」というだけで、一瞬、ありきたりなロボットSFを想像してしまいがちだが、この物語はそうではない。 むしろ、「ありきたりな設定」であること自体が、テーマでもある。 本書のテーマは、人工的な知性が存在したとして、それは人間をどう判断し、どう共生するのか。 物語に力はあるのか。 人間の認知能力の特徴と限界などだ。

ロボットという存在を描くことで、人間を描きだし、その愚かさと救いに関する、身近でありながら大きな物語になっている。 おもしろい作品だった。

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