この世の彼方の海
ある知りあいのブログを見ていたら、初任給のことと、こっちが本題なのだが失恋(のようなもの)のことを書いて悲しんでいた。 すると、勤めはじめた会社を2ヶ月もしないうちにさくっと辞めたばかりな、大して親しくもなかった旧友(?)から、「給料いいなあ」みたいな、空気が読めなすぎるコメントなどでネット・ストーキングされていた。 おいおい、そういう天災のような人物とは、早く縁を切った方がいいのでは。 …って、まあ、でも、コメント削除したり、書き込み不可にすると、更に暴れるかもしれないからなあ…。 困った人というのは、自分では他人から不当に扱われていることが多いと感じ、どうもうまくいかない人生だと感じているだろうし。 うーん、からまれると大変だね…と傍観してみたりする今日この頃です。
それは、ともかく、マイクル・ムアコック著、井辻朱美訳、『この世の彼方の海』、ハヤカワ文庫SF、2006年を読む。 これは旧〈エルリック・サーガ〉の短編集『この世の彼方の海』と『白き狼の宿命』から、「オーベック伯の夢」を抜いたもの。
歩く災いといえば、この主人公のエルリックもそうかもしれない。 本書は、エルリックのシリーズで最初に書かれた作品「〈夢見る都〉」が収録されている。 この作品自体、メルニボネの皇帝陛下エルリックが、自ら自分の優雅な国を、野蛮な他国の軍隊で滅ぼす話だったりする。 しかも、そのきっかけは前の巻『メルニボネの皇子』で描かれているが、非常に自業自得なものだ。 他の収録作品も、辺境を放浪し、〈法〉と〈混沌〉や〈天秤〉の葛藤に成り行きで巻き込まれて翻弄されるというもので、非常にエルリックらしい作品集になっている。
創元推理文庫からは、同じくムアコックの〈ルーンの杖秘録〉シリーズも新版で6月末に復刊とのこと。
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