秒速5センチメートル
新海誠監督作品、「秒速5センチメートル」、コミックスウェーブを観る。
本作品は、劇場用の連作短編アニメ作品。 全部で60分程度。 美しい想い出と時間のもたらす長い距離を描いた作品だった。
先週から公開され、2週目の日曜日の最初の上映は、それなりにゆったりと観ることができる状態だった。
新海誠作品の特徴と言えば、「切ない思い」があると思う。 それから、「雲のむこう、約束の場所」以降、実際の風景のロケにもとづく、どこか懐かしく美しい光景のもとで繰り広げられる、「あの日」の物語により、評価を受けてきたのだと思う。 本作でも、その部分は十分発揮されている。
しかし、本当にやりたいことは何だったのかということと、作品の表現という意味では、結構、ミスマッチなのでは、と思わされた。 本作では、「雲のむこう」で暗示的に示されていたものが、テーマとして明確に描かれている。 もしも、それを単独で話したり提示したりすれば、おそらくまったくウケないだろう。
ウケのよい部分によって引き寄せ、その結果、見せられるものは、わたし個人にとってはあまりに納得のいくものではあったのだが、いずれにせよ、あまりに裏腹なものだ。
アニメ映画を見に行って、こんなもの見てちゃだめなんですとか、現実に帰れと言われたりとかとは、ちょっと違うが、ある種、期待に対する裏切りというか、得意とする表現とやりたいことがマッチしていないというか、そんな感想を抱いた。
ある意味、これをやってしまったことで、次回作がどうなるのか、非常に楽しみ。
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